味方 玄について

能役者 味方 玄(みかた しずか)について

能楽・観世流シテ方。2011年重要無形文化財(総合)認定。
1966年10月8日京都にて能楽師・味方健の長男として生まれる。弟に能楽師・味方團。

自らの社中である青嶂会で謡と仕舞を、NHK文化センター、同志社女子大学能楽部にても指導。

味方の実家である十念寺は能を愛好した足利六代将軍義教の建立で能とはゆかりが深い。十念寺の住職であった祖父も能を愛した一人。母親は彼がおなかの中にいるときも能を舞っていたとか…。こうした環境は、幅広い活動の素地となり、バックボーンとなった。

能におけるシテ方は、通常の舞台でいう演出家や舞台監督の役割も兼ね、時には大道具も作る。
さらに、もっと自由に独自の舞台世界を創り出すため、味方玄はテアトル・ノウを主宰。
第1回目の公演は、江戸時代に大名や武家が能舞台ではなく、自らの屋敷に客を招いてサロン的な雰囲気で演能を楽しんだ「座敷能」を再現し、1996年十念寺で開催。ろうそくやかがり火の光や風さえも効果的に演出された古風な形の能は、好評を博した。
また情報発信の為、能のみかたくらぶを発足。2006年に「能へのいざない」(淡交社)を出版(2012年 二版発行)。その後もテアトル・ノウは回を重ね、2007年には、初の東京公演を実現させた。

舞台の上で「的確な演技と豊かな感性で、美的空間を実現できる演者」と評されている味方玄は、視座とスケールをかえ「テーマ」や「空間」を選び、テアトル・ノウによって新たな世界を創造しようとしている。
それは、現代に”能”を生かし続けるため、モダニティ(現代性)とトラディション(伝統)をより自然に融合させた能の舞台空間を創ることである。

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味方 玄写真

主な経歴・活動

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  主な経歴(披き・受賞など) その他の活動
1971 「鞍馬天狗」花見で初舞台  
1978 「猩々」で初シテ  
1986 片山幽雪師(人間国宝)に内弟子入門  
1990 「翁」千歳  
1991 独立  
1992 独立披露能で「石橋」を一人で演じ話題となる NHK衛星放送『重低音スペシャル』に出演し、東寺金堂にて能とシンセサイザーのジョイント
1993   ドイツ・ケルンのダンスフェスティバルで「殺生石」演能と能のワークショップ
1994   ワシントン・ジャパンフェスティバルに出演
1995   ニューヨーク薪能などの海外公演を経験
NHK衛星放送『錦の京』では南禅寺を舞台に「紅葉狩」
1996 「猩々乱」
第1回 『テアトル・ノウ』を開催、能「葵上」「鉄輪」
 
1997 第2回テアトル・ノウ「道成寺」 読売放送『失楽園』で劇中薪能「女郎花」を演じる
1998 第3回テアトル・ノウ「二人静」「国栖」
第4回テアトル・ノウ「楊貴妃」
『アルティ・ブヨウ・フェスティバル』モダンダンスとのデュエット出演と演出をおこない能楽の同時代性を追及。
1999 第5回テアトル・ノウ「自然居士」  
2000 第6回テアトル・ノウ「巴」「忠度」
第7回テアトル・ノウ「融 クツロギ
 
2001 京都市芸術新人賞(平成12年度)を受賞
第8回テアトル・ノウ「清経 恋之音取」「石橋 大獅子
 
2002 第9回テアトル・ノウ「龍田 神楽留」「三輪」 KBS京都テレビにて能楽入門番組『能三昧』を監修
2003 第10回記念テアトル・ノウ「道成寺 赤頭 パリ・ユネスコ本部「世界無形文化遺産認定記念公演」に出演
新作能「待月(つきまち)」を制作脚本演出、京都市博物館東玄関前庭園にて上演
2004 京都府文化賞・奨励賞を受賞
第11回テアトル・ノウ「杜若 恋之舞
 
2005 第12回テアトル・ノウ「忠度」
第13回テアトル・ノウ「松風」
加納幸和演出『伝統の現在』にて泉鏡花原作の「海神別荘」にて美女を演じる
2006 「望月」
第14回テアトル・ノウ「通盛」「井筒」
淡交社より『能へのいざない』を出版
日米通商150周年記念ニューヨーク・ワシントン公演参加
2007 第15回テアトル・ノウ「融 舞返」初の東京公演
第16回テアトル・ノウ 源氏物語「野宮」
 
2008 第17回テアトル・ノウ「熊野 村雨留
第18回テアトル・ノウ東京公演「井筒」
 
2009 第19回テアトル・ノウ東京公演「邯鄲」
第20回テアトル・ノウ「屋島 弓流し
JACCCの『平成20年度 ロサンゼルス日本文化センター主催事業』参加、アメリカ西海岸5都市で能楽レクチャーと「敦盛」の上演(その様子はロサンゼルス・タイムズ紙にも掲載)
ロンドンでThe Robert H. N. Ho Family Foundationの『V&A』プロジェクトへ参加、「通小町」「敦盛」公演
2010 第21回テアトル・ノウ東京公演「松風 見留
第22回テアトル・ノウ「隅田川」
NHK ドラマ10『フェイク』で劇中能「隅田川」を演じる(2011年2月放送)
2011 第23回テアトル・ノウ東京公演「野宮 合掌留
重要無形文化財(総合)認定
嶂の会、テアトル・ノウ合同公演「記念能」にて「翁」「高砂 八段之舞
 
2012 第24回テアトル・ノウ東京公演「蝉丸 替之型」「鵺 白頭
第25回テアトル・ノウ「朝長」
KBS京都テレビ「羽田美智子の『京都専科』」、「能へのいざない」の回にゲスト出演
2013 第26回テアトル・ノウ東京公演「楊貴妃 台留
第27回テアトル・ノウ「安宅 勧進帳 瀧流
 
2014 第28回テアトル・ノウ東京公演「砧」
第29回テアトル・ノウ「望月 古式
 
2015 第30回テアトル・ノウ東京公演「三輪 白式神神楽
第31回テアトル・ノウ「善知鳥 替之翔
 
2016 第32回テアトル・ノウ東京公演「山姥 」
第33回テアトル・ノウ京都公演「求塚」
 
2017 第34回テアトル・ノウ東京公演「三笑 巴」
第35回テアトル・ノウ京都公演「俊寛」
 
2018 第36回テアトル・ノウ東京公演「屋島 」
第37回テアトル・ノウ京都公演「融」
 
2019 第38回テアトル・ノウ東京公演「定家 」
第39回テアトル・ノウ京都公演「半蔀 立花供養」
 
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